Windows Live GalleryでVistaサイドバーガジェット「十徳Search」が公開されました。
これは、「本当に便利な検索ガジェットとは何か……」ということに対する自分なりの答をプログラムの形にしてみたものです。
ちなみに、現バージョンはまだ試験的公開であって、内容の変更、あるいは公開の取りやめ等の事態が起こることがあり得ます。
「マイナスの改善」という分かりにくさ §
何かの機能を付け加えるプラスの改善は分かりやすいと言えます。しかし、面積の小さなサイドバーガジェットは、機能を増やすことが常に改善になるとは限りません。むしろ、本当に使う最低限の機能に絞り込んだ方が、かえって操作しやすくなることもあり得ます。これは、機能を減らすことによる改善、つまり「マイナスの改善です」。
「マイナスの改善」は、説明しなければ「なぜそれが好ましい選択であるのか」が分かりにくい可能性があるので、ここで説明します。
実は便利ではない検索サイドバーガジェット §
検索サイドバーガジェットというソフトは、実はあまり便利ではありません。
なぜかといえば、以下のような状況があるからです。
- 検索機能はWebブラウザと統合されていた方が便利 (アドオンのツールバーの方が便利)
- 面積が小さいので、検索結果のリストなどを提示するのに向かない
つまり、Google検索サイドバーガジェットを入れるよりも、Google Toolbarを入れた方がはるかに便利ということです。
それにも関わらず、検索サイドバーガジェットを作るということは、上記の状況の死角を補うことに特化すべきと言えます。
そして、ツールバー等でカバーし切れていないニーズは確かにあります。
具体的に言えば、普段は使わないがたまに検索したい検索機能は、ツールバーを常駐させるほどではないが、検索は素早く行いたいと感じます。たとえば、普段はGoogleを使っていても、たまにLiveやYahoo!の検索も行いたいようなケースです。また、Googleの検索でもツールバーで対応していないCodeサーチのような機能も対象に含まれます。
作業手順の軽減という効能 §
アドオンの検索ツールバーのような機能がない場合、検索を行うには以下の手順を踏むことになります。
「検索ページを開く」→「待つ」→「検索ワードを入力+検索ボタン」→「待つ」→「結果のページが開く」
これは、「操作、待つ、操作、待つ」と操作が分断されるという点で使いやすいものではありません。操作のタイミングをシステム側で支配されてしまい、ユーザーは自分でコントロールできないので、ストレスが溜まります。
サイドバーガジェットによって検索をキックするということは、作業手順を以下にように変更することを意味します。
「常駐しているサイドバーガジェットに検索ワードを入力+検索ボタン」→「待つ」→「結果のページが開く」
これは「操作、待つ」という手順となり、操作がシステムの都合で待たされることがありません。待つのは操作が全て終わった後、結果が表示されるまでの間だけです。
十徳Searchという解答 §
以上のようなことから、検索サイドバーガジェットが持つべき資質は以下のようなものだと結論しました。
- 機能は、検索ワードの入力と検索の開始のみ。その先は、Webブラウザを開いて、サイドバーガジェット抜きで直接検索エンジンサイトと対話してもらう
- できるだけ多くの検索エンジンと、個々の検索エンジンが持つ検索タイプ(ImageやBlog等)をサポートし、ワンタッチで切り換え可能とする (カスタマイズも容易であると良い)
- 利用頻度は多くないので、できるだけ表示面積を小さくする
- 検索ワード入力のアシストとして、最低限ヒストリ機能は欲しい
以上の条件を実際に実現したものが十徳Searchです。
実際にサポートした検索エンジンと検索タイプ §
(エンジン=サブタイプ一覧)
- Google = Web,Image,News,Map,Group,Blog,Code
- Windows Live = Web,Image,Blog
- WikiPedia = Go,Search
- Amazon = ALL,Book,Book(US),Electronics,Home & Kitchen,Music,DVD,Video,Software,Game,Toy & Hobby,Sports,Health & Beauty
- Yahoo! = Web,Directory,Image,Music,Video,News,Blog,Dictionary,Chiebukuro,Area,Products
- searchmash = Web
- a9 = Web
検索エンジンリストのカスタマイズ §
juttoku.htmlの以下の変数enginesの初期値として書かれたオブジェクトリテラルを書き換えます。
見れば分かると思うので、詳細の説明は割愛します。
区切りのカンマさえ間違わなければ、書き換えは容易であるはずです。
ちなみに、14x42ピクセルのアイコン画像ファイルが必要です。
"search"の"●"文字はURLエンコードされたキーワードに置き換えられます。
操作のヒント §
赤い四角は検索エンジンの切り替えです。クリックしてください。
緑の四角は個々の検索エンジンに含まれる検索タイプの繰り替えです。クリックしてください。
ヒストリ機能の呼び出しは、赤い四角の下にある横に細長いボタンです。目立たないので、見落とさないようにご注意ください。
ウィンドウ横の検索エンジンのロゴ画像は、クリックするとその検索エンジンのサイトをWebブラウザで開きます。詳細な検索条件を付けたい場合などはこちらを使ってください。
作者の利用実績 §
十徳Searchを常駐させていますが、これを使うのは1日に1回程度です。(たいていはGoogle Toolbarで用が足りてしまう)
しかし使うときには、いつも「あって良かった」と思います(といっても出来たてなので、まだ3~4回しか利用実績はありませんが)。検索ページをいちいち呼び出す手間が省けるだけでも、楽ができていると感じます。
Vistaを入れてサイドバーをオンにしておくなら、片隅に1つ置いておくと便利ではないかと思います。